PHPバージョン対応で慌てない!WEB担当者が今すぐ確認すべきポイント

PHPのバージョン未対応は、見えないリスクを孕んでいます。セキュリティホール、不正アクセス、改ざん、ウイルス感染、検索順位の低下——これらはすべて、古いPHPが引き金となる重大インシデントです。本記事では、PHPのバージョンアップの意義から、具体的な攻撃事例、改ざん対策まで、WEB担当者が押さえておくべきポイントを網羅的に解説します。
PHPのバージョンアップとは?
PHPはWebサイトの動的処理を担うプログラミング言語です。新しいバージョンでは、脆弱性の修正、パフォーマンス向上、非推奨機能の削除が行われ、旧バージョンはやがてサポート終了(EOL)となります。たとえばPHP7.4は2022年11月にサポート終了しており、それ以降はセキュリティパッチも提供されません。
インターネットの技術革新や攻撃手法の進化に対応するためにも、PHPの更新は不可欠です。さらに、クラウド型インフラやCMSの進化により、より高速かつ堅牢なバージョンへの移行が業界標準となっています。
対応しないとどうなる?放置によるリスク
- セキュリティホールが放置される:脆弱性が公開されているため、攻撃者の標的になりやすい。
- サイトが動作しなくなる:WordPressやプラグインが最新PHPに依存していると、機能エラーが発生。
- 検索順位低下:Googleの評価が下がり、流入減。
- 訪問者に悪影響:ウイルス仕込みやマルウェア感染のリスク。
結果として、企業の信頼失墜や売上低下、場合によっては法的責任を問われる事態にも発展しかねません。小規模企業や自治体のサイトも例外ではなく、むしろ対策が遅れがちで、気づかぬうちに被害が広がる「サイレントクラック」が問題となっています。
PHPの脆弱性を狙った具体的な攻撃手法
1. リモートコード実行(RCE)
unserialize関数などのバグを利用し、サーバー上で任意コードを実行。バックドアの設置や情報窃取が可能。
2. ファイルアップロード脆弱性
悪意あるPHPファイルが通過し、サーバーに設置。改ざん・削除・踏み台化の温床に。
3. SQLインジェクション支援
古い設定(magic_quotesなど)による不完全な入力制御により、DB情報漏洩の助長要因に。
4. セッションハイジャック
脆弱なセッション管理を利用し、ログイン権限を乗っ取る。SSL未使用や古い暗号方式が狙われやすい。
改ざん被害の具体例と実態
■ 被害パターン
- 表示改ざん:「Hacked by…」と改変される
- 不正リンク挿入:怪しい海外サイトへ誘導、SEOペナルティ
- マルウェアスクリプト埋込:訪問者にウイルス感染
- フィッシング誘導:偽ログインページに転送
■ 実際の声
「社内サイトが改ざんされていたことに気づかず、Googleにスパム扱いされて検索から消滅。PHPのバージョンが古かったことが原因で、修復に2ヶ月を要しました」(東京都・不動産会社WEB担当)
■ 気づかないケースも
改ざんは目に見えない場所(ソースやメタタグ内)に行われ、検知に時間がかかる「ステルス型攻撃」も多く、気づかぬうちに信用が低下します。
■ 防ぐには
- 最新バージョン(8.1以上)への更新
- 定期的な脆弱性スキャン
- WordPress・プラグインの更新
- バックアップの自動化
- WAFやログ監視などのセキュリティ強化
自社サイトのPHPバージョン確認方法
- WordPress:ダッシュボード → ツール → サイトヘルス → 情報
- サーバー管理パネル:Xserver、さくらなどで確認
- phpinfo関数を記述したPHPファイルを設置
- WordfenceやSucuri等のプラグイン活用
対応が必要なバージョンとEOL一覧(2025年時点)
PHPバージョン | サポート状況 |
---|---|
7.4 | 終了(EOL) |
8.0 | セキュリティサポート終了間近 |
8.1 | 現行サポート中 |
8.2 | 最新安定バージョン |
バージョンアップ前の事前準備
- フルバックアップ(DB+WPファイル)
- プラグイン・テーマの動作検証
- ステージング環境でのテスト
- 改ざん検知ツール(ハッシュ比較型など)導入
レンタルサーバーでのPHPバージョン変更手順
- サーバーパネルへログイン
- ドメイン設定画面でPHPバージョンを選択
- 「PHP8.1」など推奨バージョンに切替
- サイトを確認、問題なければ本番公開
アクセスの少ない時間帯に行うことで、トラブル時の影響を抑えることができます。
専門家に相談するという選択肢
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