イベント申し込みから参加証発行までを一元管理する具体手順とは?

本記事では、フォーム作成から参加証のQRコード付きPDF発行までをワンストップで管理するための具体手順を、実例とともに解説します。煩雑だった受付業務が大幅に効率化され、人的ミスも削減。少人数イベントから大規模催事まで対応可能なノウハウをお届けします。
イベント受付業務でよくある課題とは?
イベントを企画・運営する際、以下のような受付業務の煩雑さに悩まされていませんか?
- Excelや紙の申し込み管理で情報が散乱している
- 参加証をメールで1件ずつ手作業で送っている
- 当日受付で本人確認が混雑し、行列が発生
- リスト更新・欠席者管理が手間になっている
これらの課題は、申し込み〜参加証発行〜当日受付を一元管理することで、大きく改善できます。
一元管理の全体像:5ステップで完結
イベント受付の一元管理は、次の5つのステップで実現できます。
- 申し込みフォームの作成・公開
- 申し込みデータの自動蓄積・確認
- 参加証(QR付き)をPDFで自動発行
- 当日の受付でQRコードを読み取り
- 参加履歴をリアルタイムで管理・記録
それぞれのステップについて、以下で詳しく説明します。
ステップ1:申し込みフォームをWeb上で作成
まずは、GoogleフォームやTypeform、WordPressのフォームプラグイン(Contact Form 7、WPFormsなど)を使って、参加者向けの入力フォームを作成します。
収集する情報は以下のような項目が一般的です。
- 氏名(フリガナ含む)
- 所属/会社名
- メールアドレス
- 電話番号(任意)
フォームには自動返信機能を設け、申し込み完了メールと同時に「参加証PDFのダウンロードURL」を案内できる設計にしておくとベストです。
ステップ2:データをシステムに連携・蓄積
フォームに入力された情報は、自動的にスプレッドシートやデータベースに蓄積されます。GoogleフォームならGoogleスプレッドシートと連携可能です。
ここでのポイントは、参加者IDや一意のQRコード情報を自動で割り当てることです。これにより、後の参加証発行作業を自動化できます。
ステップ3:QRコード付きの参加証を自動発行
登録情報から、参加証をPDFで自動生成するには、以下のいずれかの方法が活用できます。
- Google Apps Script(GAS)とGoogleドキュメントの連携
- PHP+FPDFライブラリを用いた自動生成(自社サーバー運用)
- WordPressの有料プラグイン(Forminator Pro等)によるPDF出力
PDFには、以下の要素を含めると便利です。
- イベント名・日時・会場
- 氏名・所属
- QRコード(ID情報を含む)
- 注意事項や当日の持ち物など
発行されたPDFは、事前にメールで配信、またはダウンロードリンクとして案内します。
ステップ4:当日受付でQRコードを読み取る
参加者がスマホに表示した参加証(または紙で印刷したPDF)を、受付担当がスマホやタブレットでスキャンします。
QRコードの読み取りは以下のような方法が一般的です。
- スマホ・タブレットのQRリーダーアプリ
- 専用Webアプリ or Googleスプレッドシート+GAS
- 独自の受付システム(PHP/Node.jsなど)
読み取りと同時に参加履歴が記録され、「誰が来たか」をリアルタイムで可視化できます。
ステップ5:来場者データを集計・活用
読み取られた入場情報は、管理画面またはシート上で集計できます。以下のような活用が可能です。
- 当日の来場者数の把握
- 不参加者へのフォロー連絡
- 滞在時間の可視化(入退場両方スキャン時)
- 来場証明の発行(行政提出など)
このように、受付業務を「記録」から「戦略的データ活用」へと進化させることができます。
さらに効率化を進める応用テクニック
より複雑なイベントや大規模運営の場合、以下のような応用も可能です。
- 参加証に座席番号を自動配置(会場マップとの連携)
- ワークショップや分科会ごとのQR発行(セッション管理)
- 来場時アンケートとセットでのQR読み取り
- 講演・登壇記録の出席証明PDF発行
これらは全て、基本の「一元管理型受付フロー」に追加でスクリプトやロジックを加えることで実現可能です。
セキュリティとプライバシー対策
個人情報を扱う以上、セキュリティへの配慮も不可欠です。
- SSL(HTTPS)環境でのフォーム運用
- アクセス制限・ログイン認証による管理画面保護
- データ保存期間の定義と定期削除のルール設計
- CSV出力時のパスワード付きZIP化
これらを組み込むことで、安心してイベント運営を行う体制が整います。
導入事例:3000人規模イベントで実践済み
2021年の横浜開港祭では、3,000人以上の事前申し込みをQRコードと自動参加証で一元管理。来場者ごとに個別PDFを発行し、当日の受付もスムーズに処理されました。
紙の名簿不要、個人情報の管理も万全、非接触で安心。運営側の負担も大幅に軽減され、イベントの品質向上に寄与しました。
まとめ:イベント受付のDX化は「一元管理」から始まる
イベントの参加受付や参加証発行を「バラバラ」に管理していた時代は終わりました。フォーム作成、データ管理、PDF自動生成、当日受付、集計までをワンストップで構築することで、業務の効率化・精度向上・参加者満足度アップを同時に実現できます。
「自社イベントでも導入できる?」「どこから手をつければいい?」 そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度エリアドライブまでご相談ください。 規模・業種・開催形式に応じたベストな設計をご提案します。